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2018.8.16

サロンオーナー
湯場崇史さん
表参道の人気店で経験を積んだ後に独立し、駒沢でヘアサロン「Lien」を設立。2017年12月にオープンした面貸し・時間貸し専用サロン「GrandStory Salon」をプロデュースするなど多方面で活躍中。
美容師をもっと自由にする新しい働き方
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「30歳までに自分のお店をもちたい」という想いを胸に、20歳から6年ほど表参道のヘアーサロンに勤務していたという湯場崇史さん。
現在は、その夢を叶え、駒沢でヘアーサロン「Lien」を経営している。美容師としてお客さんの髪をカットする一方で、湯場さんはサロンオーナーとして〝面貸し〞という取り組みも実施している。面貸しとは、サロンに所属せずフリーランスで美容師をしている人に、鏡やシャンプー台など、お店の設備を貸し出す運営形態のこと。仕事をするためには設備が不可欠な美容師にとっては、欠かせないサービスとなっている。
面貸しで働く魅力について、湯場さんは、「サロンに所属していると、自分のお客さんがいなくても営業時間中はお店にいなければいけないんです。だけど、自分のお客さんだけを担当するのであれば、1対1でスケジュールの調整ができるし、時間の管理も自分でできるので、お店に縛られずに済むんですよね。そうやって自由に仕事ができるのは、面貸しで働くメリットだと思います」と語る。
美容師の可能性を広げたい
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面貸しという業態が美容師の働き方を拡張させてくれると考える湯場さんは、GrandStoryとタッグを組み「GrandStory Salon」をオープン。会員登録した美容師が24時間利用できる面貸し・時間貸し専用の美容室を、千駄ヶ谷と代官山に展開することになった。
この新しい試みを始める上で、湯場さんが掲げたのは「美容師を辞めていく人を減らしたい」という理念。聞けば、美容師の約半数は、お客さんの髪を担当できるようになる前に辞めていくという。理由の多くは、労働時間に対する賃金の低さにあるそうだが、自身も苦しいアシスタント時代を過ごしてきたという湯場さんは、「1、2年で辞めてしまったら、学費もせっかく習得した技術も無駄になってしまうし、何より美容の楽しさを感じられないと思うんです。
サロンでは無理でも、スタイリストデビューする前に自分のお客さんをカットできる場所があれば、自信もつくし、やっぱりお金を稼ぐというのは続けていくモチベーションになるんですよ」と語った。また、美容業界には出産を機に現場を離れていく女性も多いという。そうした人たちにも技術や経験を活かした仕事をしてもらいたいとの想いから、会員なら誰でも、ハサミさえあればすぐに利用できるサロンの立ち上げに至ったそうだ。
「サロンのトップが元気でも、アシスタントの子たちが苦しいと業界の未来は明るくない」と話す湯場さんが、シェア美容室によって切り開く、新しい美容師の働き方に期待したい。

サロン向けレンタルスペース
GrandStory Salon
https://grandstory-bs.jp/lp/
代官山と千駄ヶ谷に時間貸しレンタルサロンを構える。利用料は、1時間1,800円〜(材料費込み)。サロンは24利用が可能で、プライベトサロンのような落ち着いた空間が利用者の美容師さんから人気だ。