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「自分らしく自由に働くひと」Part.04

現在、国内のフリーランス人口は1000万人を超えたと言われている。
職種はさまざまで、デザイナー、フォトグラファー、ライター、美容師、陶芸家...などなど。
彼らが「どんな場所」で「どんな働き方」をしているのかを追ってみました。

2018.10.12

#インタビュー #自分らしく自由に働くひと

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/// 今回PICK UPしたひと ///
株式会社マバタキ 代表取締役 木村彩人さん

代表取締役兼デザイナー。芸術大学で建築を専攻する傍ら、ウェブ制作をはじめとするデザインの仕事を開始。卒業後、東京のシェアオフィスを拠点にフリーランスのデザイナーとして活動を始め、2016年に株式会社マバタキを設立。

会社の枠組みを越えた立体的な仕事と交流

〝クリエイター専用のコラボレーション・シェアオフィス〞というコンセプトで、2003年に誕生した『co-lab』。現在は、渋谷をはじめ都内数カ所に拠点を構えて おり、デザイナーやカメラマン、編集者など、様々なクリエイターが集まっている。

ウェブ制作を中心としたデザイン事務所を経営する木村彩人さんも、そのひとり。シェアオフィスならではの多様なコミュニティの中で、日々クリエイティブな仕事をこなしている。京都の大学で建築を学ぶ傍ら、在学中からデザインの仕事を請け 負っていたという木村さんは、卒業後もデザインの道に進むことを決意。「やるからには東京でチャレンジしたい」と思ったときに出会ったのが、当時、九段下にあったco-labだった。

シェアオフィス co-lob デザイナー 木村彩人さん

「デザインで大きな実績があったわけではないし、東京にはほとんど知り合いがいなかったので、そんな状況では仕事にならないと思っていたんです。だから、東京で会社の枠組みを越えた立体的な仕事と交流デザイナーをすることと、シェアオフィスに入居することはセットで考えていました」

各業界の第一線で活躍するクリエイターに囲まれる環境で、最初は萎縮していたという木村さんだが、シェアオフィス内で人と接する機会を作るように心がけていた 甲斐もあって、数ヶ月後には本格的なデザインの仕事を受託。これを機に、シェアオフィス内での信用を得て、様々な仕事を引き受けることになったという。

シェアオフィス co-lob デザイナー 木村彩人さん

その後、フリーランスのデザイナーとして着々と実績を重ねつつ、co-labが移転するのに合わせて自身の仕事場も変えてきた木村さん。シェアオフィスの魅力につい て伺うと、「やはりコミュニティがあることが一番重要だと思っています。シェアオフィス内のコミュニティもそうですし、それだけではなく、そこを介して外と繋がっていけるのも、ひとつの会社や個人では得られないメリットです ね」と語ってくれた。 今でもシェアオフィス内の繋がりから派生する仕事は多く、入居者同士で会社の枠組みを越えた付き合いも活発だという。

作り手であることへの強い決意

現役のデザイナーでありながら、会社経営者という立場でもある木村さんは、チームで仕事することの意味を次のように語る。

「僕、デザインが伝統工芸と同じ道を歩んでいくのではないかという危機感を持っているんです。10年くらいキャリアを積まないと第一線に立てなかったり、駆け出しの頃は収入が少なかったりというように、デザイナーも職人的な仕事なんです。そんな中で、自分ひとりがスキルを抱え込んで、誰にも伝えることなく仕事に打ち込んでいくという姿勢は、廃れていった伝統工芸と一緒だなと思って。だから、僕はチームで仕事をしていくことが大切だと考えるようになりました」

シェアオフィス co-lob デザイナー 木村彩人さん

下積み時代が長い職種が嫌厭されがちな風潮が世の中に広がり、少子化も加速していった結果、伝統工芸は担い手を失った。木村さんは、このままだとデザインの業界も衰退していくのではないかという危機感から働き方の意識を変えていったという。さらに、デザイン業界には、技術の進化による変革の波も押し寄せている。例えば、これまでは、ウェブ上の記事をパソコンで見るかスマートフォンで見るかという環境の違いに合わせて、デザイナーが使用する写真のサイズを調整していた。しかし、最近ではサイズ調整の自動化が進み、その仕事が機械に取って代わられるという状況になってきている。

こうした状況に対して、木村さんは「技術の進化によって、デザイナーの仕事が失われていくことはないと思います」と分析。その理由を、「デザインって理屈じゃないんです。ウェブのように、画面を通して見るものにも、結局は作り手の圧力みたいなものが表れてくるんですよ。経験からいっても、たくさん手を動かしてきた人が作ったモノの方が力を持っているのは明らかです。それは、見ているのが人間だからなんだと思うんですけど」と語ってくれた。自ら手を動かし続け、シェアオフィスという環境で多くの人と向き合ってきた木村さんの言葉には、〝作り手〞であることへの強い決意が感じられた。

シェアオフィス co-lob デザイナー 木村彩人さん

最後に今後のビジョンを伺うと、「デザイナーが生きていける世の中は、まだ人間の時代だと思うし、それをどこまで続けていけるかが僕らデザイナーの勝負です。だからこそ、自分が培ってきたものを次に繋げていかなきゃいけないし、それは経営者としてのひとつの使命だと思います」という答えが返ってきた。

人脈も実績もない状況から出発し、今ではデザイナーと経営者という二足の草鞋を履きながらウェブ業界を突き進む木村さん。シェアオフィスで得た経験とコミュニティを活かした今後の活動に注目したい。

 

co-lab 渋谷キャスト

http://co-lab.jp

自分のブースで煮詰まったときは、気分を変えてオープンスペースで作業できるのもシェアオフィスならではの魅力。渋谷のco-labにはキッチンがあり、利用者同士の交流の場に。他社の人とテーブルを囲むことも珍しくない光景。

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